
今回は、FX会社による自動決済(強制ロスカット)について書いていきます。
FXには、自動決済(強制ロスカット)と呼ばれる仕組みがあります。
これは、私達の証拠金守るため、投資家保護のためのルール・仕組みだと思ってください。
ちょっと言葉では説明がしにくいので例をあげて説明します。
次の条件で取引しているとイメージしてください。
・1ドル=100円の時に取引
・1万通貨でレバレッジ25倍で取引
・証拠金は6万円
・証拠金維持率100%をわると自動決済(強制ロスカット)が発動されるFX会社を利用
1万通貨で取引するには100円×1万通貨=100万円の証拠金が必要ですが、レバレッジ25倍で取引しているので、
100万円÷25倍=4万円
が最低の必要証拠金になります。
証拠金6万円を預けていますので、ポジションを保有した時の証拠金維持率は
6万円÷4万円×100%=125%
となります。
ここから含み損が-2万1千円になったとしましょう。
6万円-2万1千円=3万9千円
4万円で証拠金維持率が100%ですので、この時点でこれを下回っています。
ですから、ここで自分は決済したくなくても自動決済(強制決済)が発動されます。
一瞬でも証拠金維持率100%をわった時点で自動決済(強制決済)されるようになっています。
自動決済(強制ロスカット)が発動するルールはFX会社によって違いますので、そこは自分で確認してください。
例えば、証拠金維持率120%をわれば、自動決済(強制ロスカット)を発動するFX会社があったり、証拠金維持率100%をわれば、自動決済(強制ロスカット)を発動するFX会社もあったりするということです。
「DMM.com証券」は毎営業日ある時間において証拠金維持率100%をわっていると追加証拠金が発生するので、その場合はポジションを解消するか証拠金を追加しなければなりません。
「DMM.com証券」の場合はここである種の警告をだしていることになり、証拠金維持率50%をわると自動決済(強制ロスカット)されます。
「OANDA Japan」は証拠金維持率50%をわると自動決済(強制ロスカット)され、「ヒロセ通商」は証拠金維持率100%をわると自動決済(強制ロスカット)されます。
海外FX会社の「XM」はゼロカットシステムを採用しており、追加証拠金はありませんが、証拠金維持率20%で自動決済(強制ロスカット)されます。
ポジションの週末持ち越しはなるべく避けよう

自動決済(強制決済)については今までの説明でわかったかと思いますが、注意してほしいことが、もう1点あります。
それは、ポジションを週末に持ち越した場合やFX会社のサーバーのメンテナンス時刻をまたいだ場合です。
この間にテロや戦争、災害が起こった時に証拠金以上の損失が発生する可能性があるということです。
例えば、週末前に為替市場が閉まる前までは、証拠金維持率が130%あったとして、買いのポジションを持ち越したとします。
土日にテロがあったとします。
月曜日に為替市場が開いた際に買っていた通貨ペアがすでに暴落していたとします。
その際は残念ながら100%の証拠金維持率をわった時点で自動決済(強制ロスカット)することはFX会社はできませんので、仮にその際の含み損が預けていた証拠金を上まわっていた場合は、追加証拠金(株でいう追加保証金、通称:追証)がFX会社から求められることになります。
例えば、預けていた証拠金4万円に対して含み損が6万円になっていた場合は、
4万円ー6万円=-2万円となり、
2万円をFX会社に追加でお金をいれなくてはいけません。
その額が大きくて、払うことができなければ、借金となってしまうわけです。
別の記事でも書きましたが、かなり余裕のある証拠金でポジションを保有していないのであれば、週末に持ち越すのはなるべく避けたほうがいいですね。
余裕のある証拠金でトレードするように心がけてもらいたいと思います。