
こんにちは、鈴木です。
今回は通貨ペアの表記の意味について解説していきたいと思います。
通貨ペアの表記は通常「ドル/円」のような形式になっています。
この場合は「左側に表記される通貨」が基軸通貨となります。
ドル/円でいうと「ドル」が基軸通貨です。
FXのレバレッジ、必要証拠金、取引数量はこの基軸通貨の対円レートで計算されます。
そして「右側に表記される通貨」が決済通貨となります。
ドル/円でいうと「円」が決済通貨です。
損益はこの決済通貨の対円レートで計算されます。
(円建口座が前提です)
ドル円やクロス円(ユーロ円、ポンド円、オーストラリアドル円、カナダドル円など)のように「円」を含む通貨ペアでの取引の場合、円貨計算は不要です。
それ以外の「円」を含まない通貨ペアでの取引に関しては円貨計算をする必要があります。
現在の主要通貨の相対28通貨ペアの一覧です。
通貨ペア | 基軸通貨 | 決済通貨 |
ドル/円 (USDJPY) |
ドル |
円 |
ユーロ/円 (EURJPY) | ユーロ | 円 |
ポンド/円 (GBPJPY) | ポンド | 円 |
オーストラリアドル/円 (AUDJPY) | オーストラリアドル | 円 |
ニュージーランドドル/円 (NZDJPY) | ニュージーランドドル | 円 |
カナダドル/円 (CADJPY) | カナダドル | 円 |
スイスフラン/円 (CHFJPY) | スイスフラン | 円 |
ユーロ/ドル (EURUSD) | ユーロ | ドル |
ポンド/ドル (GBPUSD) | ポンド | ドル |
オーストラリアドル/ドル (AUDUSD) | オーストラリアドル | ドル |
ニュージーランドドル/ドル (NZDUSD) | ニュージーランドドル | ドル |
ドル/カナダドル (USDCAD) | ドル | カナダドル |
ドル/スイスフラン (USDCHF) | ドル | スイスフラン |
ユーロ/ポンド (EURGBP) | ユーロ | ポンド |
ユーロ/オーストラリアドル (EURAUD) | ユーロ | オーストラリアドル |
ユーロ/ニュージーランドドル (EURNZD) | ユーロ | ニュージーランドドル |
ユーロ/カナダドル (EURCAD) | ユーロ | カナダドル |
ユーロ/スイスフラン (EURCHF) | ユーロ | スイスフラン |
ポンド/オーストラリアドル (GBPAUD) | ポンド | オーストラリアドル |
ポンド/ニュージーランドドル (GBPNZD) | ポンド | ニュージーランドドル |
ポンド/カナダドル (GBPCAD) | ポンド | カナダドル |
ポンド/スイスフラン (GBPCHF) | ポンド | スイスフラン |
オーストラリアドル/ニュージーランドドル (AUDNZD) |
オーストラリアドル | ニュージーランドドル |
オーストラリアドル/カナダドル (AUDCAD) |
オーストラリアドル | カナダドル |
オーストラリアドル/スイスフラン (AUDCHF) |
オーストラリアドル | スイスフラン |
ニュージーランドドル/カナダドル (NZDCAD) |
ニュージーランドドル | カナダドル |
ニュージーランドドル/スイスフラン (NZDCHF) |
ニュージーランドドル | スイスフラン |
カナダドル/スイスフラン (CADCHF) |
カナダドル | スイスフラン |
どちらが基軸通貨なのか、そしてどちらが決済通貨なのか意識してこの表をみるようにしてください。
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例① ユーロ/円 (EURJPY)の場合
基軸通貨は左側に表記されている「ユーロ」です。
決済通貨は右側に表記されている「円」です。
ユーロ/円を取引するということは基軸通貨であるユーロを軸に取引することになりますので、ユーロの対円レートであるユーロ/円のレートで取引数量やレバレッジが算出されます。
そして、ユーロ/円を取引するということは損益をそのまま「円」で受け取ることになります。
したがって円貨計算する必要はありません。
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例② ポンド/オーストラリアドル (GBPAUD)の場合
基軸通貨は左側に表記されている「ポンド」です。
決済通貨は右側に表記されている「オーストラリアドル」です。
ポンド/オーストラリアドルを取引するということは基軸通貨であるポンドを軸に取引することになりますので、ポンドの対円レートであるポンド/円のレートで取引数量やレバレッジが算出されます。
決済通貨は「オーストラリアドル」です。
ただし、損益を「オーストラリアドル」で受け取ることになりますので、円貨計算をする必要があります。
つまり、「オーストラリアドル」の対円レートであるオーストラリアドル/円のレートで損益の計算をすることになります。
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例③ ニュージーランドドル/カナダドル (NZDCAD)の場合
基軸通貨は左側に表記されている「ニュージーランドドル」です。
決済通貨は右側に表記されている「カナダドル」です。
ニュージーランドドル/カナダドルを取引するということは基軸通貨であるニュージーランドドルを軸に取引することになりますので、ニュージーランドドルの対円レートであるニュージーランドドル/円のレートで取引数量やレバレッジが算出されます。
決済通貨は「カナダドル」です。
ただし、損益を「カナダドル」で受け取ることになりますので、円貨計算をする必要があります。
つまり、「カナダドル」の対円レートであるカナダドル/円のレートで損益の計算をすることになります。
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この3つの例題で見ていただいたように通貨ペアの損益の計算の考え方は今回で理解されたと思います。
ドル円、クロス円以外の通貨ペア(〇〇/円以外の通貨ペア)でトレードをしてドル円、クロス円の時より利益額が少なかったり、多かったりする理由は決済通貨が円ではないからです。
次回は損益の具体的な計算方法について書いていきます。