
こんにちは、鈴木です。
勤め先の会社に副業禁止などの規定があり、会社にバレたくないために奥さんや両親に口座を開設してもらって、その口座でトレードしている人がけっこういるようです。
また、アービトラージなどの手法を行いたい理由で奥さんや両親に口座を開設してもらって、その口座でトレードする人もいるようです。
アービトラージについてはこちらで解説しております。
これを行っている人達はどういうリスクを背負っているのはまったく理解できていません。
今回はそのリスクについて書いていきます。
まず、刑法に触れて罰せられるのか?
これについて調べてみました。
奥さんや両親、友人名義などの口座を利用して、本人が名義人に成りすましてトレードすることを「借名取引」といいます。
この「借名取引」は、脱税やマネー・ロンダリング(資金洗浄)といった行為の温床となる可能性があることや、相場操縦といった不公正取引に利用される可能性があり、法令諸規則等により委託、及び受託が禁止されているそうです。
この説明からわかる通り、禁止されているだけで、これを行ったからといって逮捕されるということはありません。
ただ、バレるとそのFX会社の取引が停止され、場合によってはその口座が凍結されるのは普通にあります。
刑法に触れないのはわかりました。
では、次に税金面についてはどうでしょうか?
税務署から他人名義の口座を使っていることをあとで指摘されて余計な税金を払わされる可能性があります。
例えば、会社に副業をしていることを知られたくない旦那さんが、奥さん名義の口座でトレードして利益がでました。
その利益は奥さんのものとして確定申告しました。
ところが、あとで税務署にそれがバレてしまい、旦那さんはペナルティとして追徴課税を支払うことになるといったケースがそうです。
国内FXの場合は申告分離課税だからいいのですが、海外FXの場合は総合課税になりますので、税務署にバレたらもっと税金をとられます。
総合課税ということは旦那さんの給与に海外FXの利益が加算され、その分税金が高くなりますので、まずその分の税金をとられます。
そのあとで追徴課税を支払いますので、国内FXのケースよりダメージは大きいです。
仮想通貨も総合課税なので同様です。
それだけではありません。
税務署から贈与税を支払うように言われる可能性もあります。
例えば、旦那さんが奥さんのFX口座でトレードをして1,000万円儲けました。
法律的にはその1,000万円は奥さんの財産なのに、トレードで利益を出したのは自分だから自分のお金だと思っている旦那さんが高級車や高級時計などに使った場合、贈与税がかかります。
(夫婦が生活等に充てるために共有している財産なら贈与税は非課税ですが、高級車や高級時計はそれにあてはまらないので、贈与税がかかります。)
税金は、期限までに納付しないと延滞金がかかってきます。
また、税金が払えない場合は、お金になるものはすべて差し押さえられます。
税金は特段の事情がある場合は事前に申請すれば、最大で2年間の分割払いできますが、このような悪質な行為をやっているのであれば、認められるはずがありません。
このように身内といっても他人名義の口座を使うことはものすごくリスクのある行為です。
会社で副業がバレたくない人は確定申告の際に「住民税は自分で納付(普通徴収)」を選択するようにしてください。
e-taxで申告する時は下記の通りに行ってください。
このように「自分で納付(普通徴収)」を選択すれば、会社側に住民税支払いの通知は行かずに、あなた自身に請求がいくようになります。
よって、この住民税により「会社側にあなたが副業をしていることが発覚する」ということはなくなります。
「自分で納付(普通徴収)」は、住民税を自分で納めるのに対して、「給与から差引き(特別徴収)」は会社が従業員の代わりに納めます。
このようにちゃんと国税庁も抜け道を用意してくれているのですから、自分の口座でトレードするようにしましょう。
アービトラージでやっている人については知りません(笑)