ワンルームマンション投資詐欺(10)任意売却業者に相談する

私は、自分の希望に近そうなメールを返信してくれた任意売却業者へ相談に行きました。

 

まずはメールに書いてあった

 

「販売業者Nに関しては、以前結婚詐欺まがいのことをして女性にマンションを購入させていたことがあり、その女性からの相談を、解決させていただいたことがあります。販売業者Nに関しては、ネットなどでも調べるといろいろな批判が書かれています。」

 

の内容を聞きたいと思いました。

 

ネットの情報は真実性に欠けるので、結婚詐欺まがいの話やその他の事例を聞くことにしました。

 

結婚詐欺まがいにあった女性の話は以下のようなものでした。

 

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婚活サイトで男性と知り合う。

知り合った男性は新築ワンルーム業者Nの社員であった。

付き合うとまではいかなかったが、デートを何度かした。

男性に好意を持つようになった頃に投資を勧められる。

自分もやっているからマンション投資をやろうと言われる。

「節税対策、年金の足しになる」などメリット面だけ話される。

男性に好意をもっていたので疑うことはなく、勧められた新築ワンルームマンションを購入。

 

男性が急に冷たくなる。

新築ワンルームマンションを購入させることが目的の詐欺だったと感じるようになる。

警察に相談したが、「詐欺として成立しない」と言われる。

弁護士に相談したが、音声など証拠能力のあるものがないので「契約無効」の裁判は厳しいと言われる。

とりあえず、マンションはいらないので売却したいと思い、任意売却業者に相談。

事の詳細を聞いた任意売却業者は販売業者Nに連絡をとる。

販売業者Nの社員がとった行動を問いつめる。

販売業者Nはやましいことがあるのか、

「女性のマンションの購入価格より200万円安い価格ならマンションを買い取る」

と言ってきた。

女性にその話をしたところ、

「早く、忘れたいのでそれで話を進めてください。」

と言われる。

 

結局、マンションを販売業者Nに買い取らせて残った残債200万円は女性が銀行に一括返済する形で終わった。

 

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他の事例は私と似たようなケースでしたが、空室や家賃収入の減少で悩んで、新築ワンルーム販売業者に相談すると

 

「新たにマンションを購入して赤字を埋めていきましょう」

 

という悪魔の提案で次々と購入していった人が多かったようです。

 

 

ちなみに新築ワンルームマンションを騙されて購入する人達は公務員や医者が多いということでした。

 

 公務員や医者は銀行からの融資がかなり引き出せるためターゲットになりやすいそうです。

 

年収500万円の公務員の人が11件の新築ワンルームマンションを購入していたという信じられないエピソードもありました。

 

しかし、いくら公務員とはいえ、年収500万円で11件もフルローンを組んで新築ワンルームマンションを購入することはできません。

 

どうやら新築ワンルームマンションの販売担当者と銀行がグルになって、その公務員の預金残高を大幅にプラスに改ざんして融資できるようにしたようです。

 

投資用の物件購入に限り、こういう手法は新築ワンルームマンション以外でも横行しているようです。

 

シェアハウス問題で揺れているS銀行の融資疑惑がいい例ですね。

 

事例をある程度聞いたところで、本題に移りました。

 

「任意売却するためにはどうすれば良いのか?」

 

との問いに対して任意売却業者は言いました。

 

「ローンの引き落とし口座からすべてお金を引き出して、問題が解決するまではお金を引き落とし口座に預けないでください」

 

えっ、どういうこと?

 

一瞬、耳を疑いました。

 

「どういうことですか?」

 

と私が尋ねると任意売却業者は

 

「ローン返済の引き落とし口座から引き落としができないと、借入れの銀行から電話や手紙がきます。」

 

「鈴木さんは借入れの銀行から電話や手紙がきているそうですが、払えない理由を銀行にどのように言っていますか?」

 

と尋ねてきたので、私は

 

「家賃収入も多少はあるが、今までのローン返済で預金が底をつき生活費が足りなくなったので、生活費に充てています。」

 

「ですから、払えません。と、答えています。」

 

と答えました。すると任意売却業者は

 

「早急に借主さんから振り込まれる家賃の銀行口座を別の銀行口座に変えてください。」

 

「借主さんに振り込み口座が変更になったことを伝えて、別の口座に家賃を振り込んでもらうようにしてください。」

 

「あと、借入れ銀行から電話があったら、全室空室になってしまい、家賃収入が入ってこないためにローンの支払いが全くできないと言ってください。」

 

と言いました。

 

私はローンの引き落とし口座と家賃が振り込まれる口座はB銀行以外は一緒にしていました。

 

そのほうが管理しやすかったからです。

 

私はびっくりして、「なぜそのようにするのか?」と尋ねると

 

「これから入ってくる家賃収入は税金や弁護士費用、その他にかかる費用のためにとっておいて欲しいのです。」

 

 

「それにこのような状況にもっていかないと借入れ銀行は任意売却に応じてくれないのです。」

 

と任意売却業者は答えてくれました。

 

借入れ銀行からすれば、このような状況なら「競売」にかけるより「任意売却」で物件を売却してもらったほうがより多く貸した金を回収できるので、任意売却業者の提案を受け入れる可能性が高いです。

 

ちなみに「競売」だと築浅のワンルームで700万円~800万円で売却が成立するケースが多く、「任意売却」だと1,000万~1,200万円で売却が成立するケースが多いようです。

 

私はここで思いました。

 

待てよ。もしかして、預金があった時にもこのような方法がとれたのではないか?

 

その疑問をぶつけると任意売却業者は、

 

「その通りです。ですから鈴木さんにももっと早い段階で相談していただけたらと思っていました。」

 

「でも、ほとんどの人が鈴木さんのように預金を使い果たし、ローンが支払えなくなってここに相談に来ます。」

 

「ひどい人になると預金を使い果たし、消費者金融にお金を借りてまでローン返済をしていて、クビが回らなくなってここに相談に来るケースもあります。」

 

と答えてくれました。

 

しまったなあ、と思いつつ、消費者金融に借金まではしてなかったので、まだ自分は運が良かったのかも、とも思いました。

 

任意売却が成立したとしても残債は1,500万円ぐらいは残るだろうし、自己破産するしかないな、と思っていましたが、念のために任意売却業者に聞こうと思い、

 

「すべての物件が任意売却出来た後は弁護士に依頼して個人再生とか自己破産ですよね?」

 

 

と任意売却業者に尋ねました。

 

任意売却業者は

 

「普通だとそのような方法をとる人がほとんどです。」

 

「私は鈴木さんの借入れ銀行が任意売却後にどのような手段で残債を回収をするのかを知っています。」

 

「まず、A銀行ですが、ここは鈴木さんの状況を把握して残債を回収できないと判断すれば、債権回収会社(サービサー)に債権を譲渡します。」

 

「つまり、鈴木さんの残債が400万円だとするとそれの1~10%ぐらい(4万円~40万円ぐらい)で債権回収会社にA銀行は債権を売ってしまうのです。」

 

「そうなるとA銀行から督促はこなくなり、今度は債権を買い取った債権回収会社から400万円の督促がくるようになります。」

 

「最終的には債権会社から和解提案(債務を大幅に減額)がありますので、それに応じれば良いと思います。」

 

と答えてくれました。

 

A銀行は私から残債を回収できないと判断したら、少しでも損失を減らすために債権回収会社に債権を売ってお金に換えて損金処理をするようです。

 

他の金融業者も同じなのかと思いきやどうやら違うようです。

 

続けて任意売却業者は言いました。

 

「金融業者Cですが、ここはおそらく電話や手紙をした後に返済の意思を見せなければ裁判をしてきます。」

 

え、裁判!

 

裁判されたら敗訴は確定だし、差し押さえされるんじゃないの?

 

 

私は「では、差し押さえされるのですね?」と任意売却業者に聞きました。

 

その疑問に対して任意売却業者は

 

「金融機関から借金した場合、返済しなかった時から5年で時効になります。つまり、借金はチャラです。」

 

「金融業者Cが裁判をする一番の目的はその時効を延長することにあります。」

 

「その場合、裁判の判決日から10年間経たないと借金は時効にはならないのです。」

 

「金融業者Cは裁判費用を投じても、時効を延長して1円でも多く債務者から回収したいと考えているのでしょう。」

 

「差し押さえに関しては、ネットビジネス詐欺で民事訴訟を起こした鈴木さんがよくご存じでしょう?」

 

「ここも最終的に和解提案(債務を大幅に減額)がありますので、それに応じれば良いと思います。」

 

と答えてくれました。

 

金融業者Cの場合は、民事訴訟をするケースが多いようです。

 

差し押さえに関しては、過去にネットビジネス詐欺に会った時に民事訴訟を起こしていたので経験済みです。

 

私は民事訴訟の勝訴後に詐欺師の口座差し押さえを実際に行って空振りでしたし、動産執行も考えましたが、費用対効果がほとんどないためあきらめた経緯がありました。

 

自分が経験したからこそわかるのですが、相手の情報がわからなければ、差し押さえってできないんですよね。

 

金融業者Cもその辺はわかっていて、あくまで時効を延長するために裁判をするのでしょう。

 

 

この時だけは民事訴訟を経験しておいて良かった、と思いました。

 

B銀行も同じかな?と思っていたら

 

任意売却業者から出た言葉は意外なものでした。

 

「ここなんですが、鈴木さんはB銀行から電話や督促は一度もなく、なぜか販売業者Nから連絡があったとおっしゃってましたよね。」

 

「おそらく販売業者Nがローンを立て替えてB銀行に支払っていると思います。」

 

「ローンの引き落とし口座って確認されてますか?」

 

え、どういうこと?

 

さっぱり意味がわかりませんでしたが、ここ2か月B銀行のローン返済の引き落とし口座は確認していなかったので、その場でスマホで確認してみました。

 

驚きました。

 

なんと販売業者Nが2か月前ほどから私のローン返済の引き落とし口座に「ローン返済の引き落とし日前日」に私の承諾もなく、ローン支払い額を振り込んでいたのです。

 

つまり、販売業者Nが勝手にB銀行のローン返済を立て替えていたわけです。

 

B銀行から督促の電話や手紙が来ず、販売業者Nからローンを支払うように連絡してきた理由がようやくわかりました。

 

でも、販売業者Nがなぜこのような行動をとるのか意味がわかりませんでした。

 

なぜなら、販売業者Nから購入したC物件(借入機関は金融業者C)に関しては何もされてないからです。

 

私が「なんで販売業者Nはこんなことをするのですか?」と聞くと

 

 

「あなたの他にも過去に販売業者Nに騙されて購入した方がいて、同じようなケースがありました。」

 

「詳しくは知りませんが、販売業者Nと提携しているB銀行にはペナルティ事項があり、早い段階でローンの支払いができなくなるような顧客がいた場合、そのペナルティに該当するようなのです。」

 

「おそらく販売業者Nにとって、B銀行はメインの提携金融機関なのでしょう。」

 

と任意売却業者は答えてくれました。

 

なるほど。

 

要するに数年でローン返済の支払いがストップするような顧客がでた場合、あらたな物件購入者に融資はしないよってことなんでしょうね。

 

販売業者Nからしたらせっかく物件購入者を見つけてきても、その購入者に融資をしてくれるメインの金融業者が一つでも減ったら大きな痛手です。

 

でも、いつまでも立て替えができるはずはないので、「どういう流れになるのか?」と聞くと

 

「販売業者Nがローン返済の立て替えができるのはおそらく半年が限界でしょう。」

 

「その間に私の方で販売業者Nに連絡をとり、B物件(借入機関はB銀行)に関しては販売業者Nに買い取らせます。」

 

「他の件でも何回も電話してますしね。」

 

「今年だけで販売業者Nが販売したワンルームマンション物件の任意売却依頼は10件を超えてますから。」

 

「今、任意売却されて一番困るのは販売業者Nですから成功する可能性が高いです。」

 

と任意売却業者は答えてくれました。

 

 

こうして疑問点や今後進めていく流れを聞いて納得したので、私はこの任意売却業者と専任媒介契約を結び、任せることにしました。