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計画倒産って何?


計画倒産とはどういったものをいうのでしょう。

 

今回はその一例をご紹介したいと思います。

 

2017年に話題になった格安旅行会社「てるみくらぶ」の経営破綻はご存知でしょうか。

 

企業の経営破綻はよくある話ですが、この「てるみくらぶ」は

2014年の9月決算時には債務超過になっていた

にもかかわらず、粉飾決算(決算書に嘘の数字を書く等)をしてごまかしていました。

 

そればかりか2007年9月決算時からずっと粉飾決算を行っていたそうです。

 

2013年9月決算時には赤字だったのにもかかわらず、金融機関からの融資継続や旅行業免許の更新のために黒字に見せかけていました。

 

また、複数の銀行から融資を引き出すために、審査資料も偽装しました。

 

この件に絡んでいた社長と経理担当者は詐欺で逮捕されました。

 

ちなみにこの社長は三井住友銀行に対して航空機のチャーター代金などの名目で約2億円を2回だまし取った疑いで2回詐欺で逮捕されています。

 

それだけでは終わらず、東日本銀行に対して航空機のチャーター代金などの名目で約1億5,000万円をだまし取った疑いで3回目の詐欺で逮捕されました。

 

最後の極めつけは、社長個人でも破産手続きをしていたにもかかわらず、

会社で保管されていた個人保有の現金約1千万円を持ち出して

自らの財産を隠した疑い(破産法違反(詐欺破産))で4回目の逮捕です。

 

いやー、すごいですね。

 

ただ、驚くのはこれだけではありません。

 

普通、経営破綻というと「仕入れ先」や「融資してくれた金融機関」に対して

お金を支払えなくなったから起こるものです。

 

ですが、このてるみくらぶの

負債150億円の2/3の100億円は顧客の前受金

です。

 

てるみくらぶは倒産の直前段階になって、旅行の募集を行っていますが、3月23日までに入金すると旅行代金が割引されるというものでした。

 

これは同日に期限が到来する国際航空運送協会(IATA)のBSP決済のための資金集めとしか考えられないそうです。

 

その金額は4億円程度だった模様。

 

つまり、てるみくらぶは顧客より100億円も代金を前受しておきながら、4億円程度の決済の資金にも行き詰まっていたことがわかります。

 

そして、同日のIATAのBSP決済の4億円をかき集めるために、「3月23日までに代金を払えば割引」という条件での募集を行っていたのです。

 

旅行会社というのは、大掛かりな設備投資も不要であり、たな卸資産などの在庫保有も不要なので、資産を保有するといっても、預貯金をたくさん抱えているのが一般的です。

 

てるみくらぶの場合、その預金が4億円もの決済に困るほど底をついているような状況に陥っていました。

 

かわいそうなのが顧客です。

 

自分が前払いしたお金が自分の旅行代金のために一切使われてないので、旅行先のホテルで宿泊できなかったり、移動ができなかったりと散々な目にあったそうです。

 

顧客に対しても詐欺を行っているのに、なぜこの件では逮捕されないのでしょうか?

 

不思議でなりません。

 

顧客にお金が全額返ってきたかといえば、今回はそうはなりませんでした。

 

旅行業法に弁済業務保証金制度というものがあります。

 

業者と取引をした旅行者が債務不履行などの被害を受けた場合に一定の金額を弁済する制度です。

 

今までの倒産ケースのうち8割近くは顧客に全額お金が返ってきており、制度自体に問題は無さそうです。

 

しかし、今回は社長の悪質な暴走により債務額が大きすぎて返ってくる金額は支払い金額の3.5%だそう。

 

10万円払っていたとしたら、3,500円しか返ってこないことになります。

 

泣き寝入りするしかありません。

 

旅行代金自体は他社に比べて格別に安いということはなかったので、詐欺なんて想定できません。

 

このケースに関しては顧客は不運としかいいようがありません。

 

このような目にあわないために、これからは規模が大きい旅行会社を選ぶ他ないと私は思いました。

 

値段は多少高くても、安全を買う意味でも。

 

皆さんはどのように思われますか?