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FX法人を設立する前に考慮しておくこと~メリット編~


個人トレーダーで節税対策のために法人化を検討される人がいるかと思います。

 

 

また、個人でFXのトレードをしているといくら自分で「個人投資家」、「FX専業トレーダー」といっても肩書きは社会的には「無職」ですので、法人化することにより肩書き(会社経営者、社長など)を作りたいという人もいるかと思います。

 

 

今回はFX法人を設立するにあたってのメリットについて書いていきます。

(デメリットについては別記事で書きます。)

 

 


FX法人設立のメリット


FX法人を設立することで、次のようなメリットがあります。

 

 

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①ハイレバレッジのトレードができる

②法人で落とせる経費が増える

③給与所得控除を利用できる

④所得の分散ができる

⑤役員退職金を支払える

⑥生命保険料が経費になる

⑦決算期を自由に決められる

⑧赤字を10年間繰り越せる

⑨個人の財産を守れる

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①ハイレバレッジのトレードができる

 

個人だと最大レバレッジは25倍ですが、法人ですと25倍以上のレバレッジで取引ができるようになります。

 

FX会社の法人口座だとレバレッジ50倍で取引できるところが多いです。

 

少し前までは法人口座だとレバレッジ100倍で取引できるところが多かったんですが、金融庁に忖度してレバレッジ50倍まで引き下げたようです。

 

 

②法人で落とせる経費が増える

 

個人でやる確定申告で認められる必要経費は限定的です。

 

例えば、「取引手数料」や「トレードに関するセミナー受講料」、「セミナー受講のための交通宿泊費」、「FXの商材代やFXの書籍代」、「FXの塾代」などです。

 

一方、FX法人ですと一般事業法人と同じルールが適用されます。

 

自動車やパソコンは会社名義で購入すれば、減価償却資産として経費計上できます。

 

さらにスマホ代、インターネット接続料、新聞代、業務に関連する書籍、雑誌も経費にできます。

 

契約名義はもちろん会社名義にしないと駄目です。

 

また、個人契約の賃貸物件の場合、法人の事務所として使用しているスペース部分については、法人の経費とすることができます。

 

 

 

③給与所得控除を利用できる

 

 

 

給与所得控除の分だけ課税所得を減らして、税金を安くできます。

 

 

④所得の分散ができる

 

法人にすると、役員報酬などの給与の額は比較的自由に決められます。

 

ただし、給与にかかる所得税は累進税率です。

 

課税所得が多くなればなるほど税率が上がるようになっています。

 

そこで、法人の代表者1人に役員報酬を払うよりも、配偶者や父母などの親族にもその仕事に見合った役員報酬を支給できれば(家族への所得分散ができれば)、節税効果はさらに増大します。

 

例えば、毎月の利益が35万円とします。

 

これを自分1人が役員報酬としてもらうと、自分の給与は月額35万円です。

 

しかし、配偶者に所得がなく、自分に月額27万円、配偶者に月額8万円と分散すれば、配偶者の年額96万円(8万円×12か月)の給与は、全くの非課税となります。

 

さらに配偶者控除の対象にもなります。

 

もし、自分、配偶者、両親の4人家族であれば、自分が月額17万円、配偶者が月額8万円、父親が月額5万円、母親が月額5万円と分散すると、配偶者の月額8万円は、先ほどと同じになりますし、親の月額5万円も、ほかに給与所得がなければ、給与所得の範囲内でゼロとなり、扶養控除の対象となります。

 

もはや、所得税は誰も払わなくてもよい状況になります。

 

このように家族がいる場合は法人の利益を給与として分散できることが法人化の大きなメリットのひとつといえます。

 

 

 

 

⑤役員退職金を支払える

 

 

役員退職金は退職所得となります。

 

退職所得は税率が最も低い所得です。

 

法人を解散する時にも使えます。

 

 

⑥生命保険料が経費になる

 

 

個人で支払う一般生命保険料は生命保険料控除を受けられるだけです。

 

2011年以前の契約ですと最高5万円、2012年以降の契約ですと最高4万円です。

 

しかし、法人が役員に生命保険をかけると支払保険料の全額または2分の1を法人の経費にできます。

 

また、生命保険料で節税しながら、役員の退職金に備えることもできます。

 

 

⑦決算期を自由に決められる

 

 

個人でFXなどのトレードをしている場合は「1月1日~12月31日」の期間で生じた所得で確定申告するしかありません。

 

一方、法人は決算期を自由に選ぶことができます。

 

また、それを自由に変更することもできます。

 

ただ、顧問税理士の都合上6月~10月の間で決算期にするFX法人が多いようです。

 

 

⑧赤字を10年間繰り越せる

 

 

個人のFXトレードによる雑所得の繰越損失は3年間です。

 

しかし、法人の場合、赤字を出しても10年間もの利益と相殺できます。

 

 

⑨個人の財産を守れる

 

 

株式会社や合同会社は、有限責任が原則です。

 

この有限責任というのは「株主は出資した金額以上の責任(損失)は負わない」という意味です。

 

FX法人を設立するにあたって資本金などの資金を全額用意するのは自分ですからこの株主というのは自分自身と考えてください。

 

債務(借入金、買掛金など)の支払義務があるのは法人の資産内だけです。

 

個人の財産にまで支払義務が及ぶことはありません。

 

たとえ、自分が設立したFX法人が破綻しても、法的には個人の財産にまで債権者は手は出せません。

(中小零細企業の社長は個人保証で銀行から融資してもらっているケースが多いので、その場合は法人が破綻しても個人として返済義務は負います。)

 

ここで一例をあげておきます。

 

2015年のスイスフランショックでスイスフラン絡みの通貨ペアで取引していたFXトレーダーは多額の損失を被ってしまいました。

 

個人トレーダーであれば、多額の追加証拠金請求があった場合、その額が1000万円だろうが2000万円だろうがFX会社に支払わなければなりません。

 

支払えない場合は債務整理をするか自己破産をすることになります。

 

しかし、FX法人ならば法人が債務を抱えるだけですので、証券会社としてはFX法人以外から追加証拠金を回収することはできません。

 

つまり、FX法人で取引しているなら、この場合個人の財産まで証券会社は手を出せないということです。

 

もちろん、FX法人での取引は今後一切できませんが、個人のように自己破産に追い込まれることもありません。

 

 

 

いかがでしょうか?

 

 

FX法人化にはこれだけメリットがあります。

 

 

しかし、メリットだけではありません。

 

 

デメリットももちろんあります。

 

 

デメリットについては次回にもちこします。