
こんにちは、鈴木です。
今回は、兼業でも専業でも数年トレードしている人であれば誰でも知っているFXの業界の裏事情について書いていこうと思います。
日本のFX会社の特徴
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①口座開設のやり方がわからなくて電話するとものすごく丁寧にわかりやすく教えてくれる
②キャッシュバックキャンペーンを頻繁にやっている
③簡単に注文・決済できる便利なスピード発注ツールを提供している
④入金してから口座に反映されるスピードが異常に早く、出金はかなり遅い
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一見、日本のFX会社は顧客に対してものすごく便利なサービスを提供している良い会社に思えます。
でも、それには裏があります。
口座開設して入金してくれれば、その入金分がFX会社の儲けにつながる可能性があるからです。
日本のFX会社は店頭取引(相対取引)ですので、インターバンク(為替の銀行間取引)に顧客の注文を流す必要はありません。
参考
一部インターバンクに顧客の注文を流すことはあるようですが、ほとんどの注文は自社内で買い注文と売り注文の相殺処理をしています。
(相殺処理できなかった注文はカバー先の金融機関に注文して処理しています。)
これはいわゆる呑み行為というものですが、そもそもなぜFX会社はそんなことをするのでしょうか?
それは「ほとんどの顧客が負けることが多い」からです。
インターバンクに顧客の注文を流すだけでしたら、顧客が勝って証拠金が増えようが、負けて証拠金を減らそうがFX会社にはスプレッド分の手数料しか入ってきません。
しかし、「ほとんどの顧客が負けることが多い」ことがわかっているので、本来インターバンクに流すはずの注文(顧客の資金)を自分のところに置いておいて、顧客が負けたらその資金はすべてFX会社のものになります。
これを行うことでスプレッド分の手数料だけでなく、顧客の負けた資金もFX会社は手にいれることができます。
ちなみにスプレッド分の手数料だけでは、FX会社を運営することは厳しいです。
だから、呑み行為をFX会社はやるんですね。
しかも、国がその呑み行為を法律で認めています。
ただ、顧客が勝った場合は逆に自社の資金でそれを補いますので、結果的にFX会社は損をすることになります。
ですから、呑み行為はFX会社にとってリスクのある行為なのですが、「全体の6割以上の人が負けて退場していく世界」ですので、呑み行為はリターンが非常に高いのでやめられないわけですね。
それに勝っている人に対しても「規約違反」といって口座凍結させることもできますから、そういった意味でもリスクはコントロールできるのです。
あと日本のFX会社の特徴として相場の流動性が低い時やレートの急激な変化がある場合にスプレッドを広げるところが多いです。
これは注文に対応しきれないためにFX会社が行うことですが、結果として「強制ロスカットを含む顧客の損切り」につながっています。
2019年1月3日のドル円・クロス円のフラッシュクラッシュがその例です。
この時のヒロセ通商や楽天証券のスプレッドの開きはひどいものでした。
カバー先(信託銀行など)が多いFX会社ほどスプレッドは開きにくいと言われていますが、ヒロセ通商なんかはカバー先が多いにもかかわらず、一番スプレッドを広げていました。
FXユーチューバーのJINさんはヒロセ通商でポジションを持っていて、スプレッドをかなり広げられてしまって強制ロスカットにあっていました。
このような事情でほとんどのFX会社は儲かっているので、キャッシュバックキャンペーンをやって新たに口座開設を募ったりします。
また、取引回数を増やしてもらえば、スプレッド分の手数料がどんどん入ってくるので、GMOクリック証券のようにスマホアプリの「スピード注文」という誰でも簡単に注文や決済ができるツールを提供するわけです。
スマホアプリでしたら外出先でも手軽に注文や決済ができますからね。
そのせいで私は過去にポジポジ病になりました(泣)
しかもほとんどがなんとなく注文してポジションを持つので大概負けるんですよね。
負けたら負けを取り戻そうと入金するわけですが、入金スピードがものすごく速いです。
今ですと数分で入金完了です。
そして入金後にすぐに取引をしますから、FX会社にスプレッド分の手数料が入るというわけです。
このあたりは人間の心理をよくわかってのサービス提供ですから、さすがFX会社といったところでしょうか。
ここまで見てきて日本のFX会社は最低だと思う人は、考え方を変えたほうが良いと思います。
FX会社は営利を追求している企業です。
儲からなければこのような商売はやらないわけです。
慈善事業ではありません。
でも、FX会社が取引環境を作ってくれているおかげで私達トレーダーは利益を享受できるわけです。
スプレッドという手数料だけで取引させてくれているのもありがたいと思わなければなりません。
しかも年々スプレッドを狭めていっているので、顧客にとってより良いサービスが提供されていると考えるべきでしょう。
スプレッドが広げられて強制ロスカットになるリスクがあるのであれば、それはレバレッジを掛けすぎなので、レバレッジを2~3倍にしておくとか対策しておけばリスクは回避できるでしょう。
儲けすぎて口座凍結されるリスクがあるのであれば、1つのFX会社で取引せずに証拠金を複数のFX会社に分散させて取引しておけば、そのリスクは小さくなるでしょう。
大事なのはFX会社を批判することではありません。
FX会社の事情を知ったうえで、対策をとって取引するようにしましょう。