
デリバティブの一種であるETF
投資信託はテレビのCMで宣伝されていますから皆さんご存知かと思います。
日本の多くの投資信託は、いくつもの株式や債券に分散投資する金融商品の一種ですが、特定の証券会社か、限られた販売会社でしか売買できませんし、相応の手数料がかかります。
投資信託の一種にETF(Ex change Traded Fund)という商品があります。
ETFは、日本で「上場投資信託」と言われているとおり、証券取引所または金融商品取引所に上場する投資信託です。
そのためにETFは取引所を介して売買でき、手数料が比較的安いのです。
コモディティ(先物商品)という言葉を聞いたことがありますでしょうか。
原油、トウモロコシなどの農産物や貴金属の金などがそれにあたります。
ETFはそれらのコモディティのの他に日経225(日経平均株価)や東証株価指数(TOPIX)などのインデックス(指標)の価格に比例して変動する金融商品です。
価格の元になる様々な投資商品を「原資産」と呼び、原資産を元にして作られた金融商品をデリバティブ(金融派生商品)といいますが、ETFはこのデリバティブの一種です。
仮想通貨のETFが認可される可能性はあるのか?
2018年から金融機関数社が仮想通貨を原資産とするETFを世界最大規模のアメリカのシカゴ・オプション取引所に上場すると報道されました。
ところが、アメリカで株式など投資商品に対して責任を持つアメリカ証券取引委員会が仮想通貨ETFの申請を認めていません。
2019年5月現在でも認められず、またしても延期となってしまいました・・・
理由は「仮想通貨がどういうものか定義できないために取引ルールをアメリカ証券取引委員会が策定できないからではないか?」と言われています。
仮想通貨ETF導入のメリット
仮想通貨ユーチューバーなどは、仮想通貨ETFに大きな期待を持っており、ETFが認可されれば仮想通貨が大きく値上がりするに違いないと主張しています。
それはなぜかというと2018年に仮想通貨ETF申請のニュースが報道されたのですが、ETFの原資産であるビットコインなどのメジャーな仮想通貨の価格が上昇したからです。
しかし、その申請の許可が先送りされると、仮想通貨の価格が一転して下降したのです。
欧米では投資全体の中でETFが占める割合が大きく、ETFに関してはおおきく報道されています。
ですから、もし仮想通貨ETFが導入されれば、これまで仮想通貨に興味を示さなかった欧米の投資家にも認知され、あらたに大きな資金を呼び込む可能性が高いのです。
現物の仮想通貨のやりとりではなく、仮想通貨ETFは投資商品の売買ですからそもそも盗まれるリスクは全くなく安全性が高いので、銀行など資金量の多い金融機関が仮想通貨ETFの取引に乗り出すことも期待できますね。
アメリカで仮想通貨ETFが導入されれば、日本や欧州でも取引できるようになる可能性が高く、全世界的に仮想通貨の取引が活発になり、多くの仮想通貨の価格を押し上げてくれるのは間違いありません。
ETFの報道で今後の仮想通貨価格へ影響は?
仮想通貨ETFは多くの投資家から期待されているので、今後またアメリカでETFの認可が下りそうだと報道されれば、仮想通貨の価格は上昇すると思います。
逆に仮想通貨ETFの認可が先送りされれば価格は下降する可能性が高いです。
現に2019年5月24日現在も認可が先送りされたことにより再び価格は下降しています。
欧米で仮想通貨ETFが普及すれば、資金量の豊富な機関投資家が仮想通貨の売買に参加すれば、その原資産となる仮想通貨の売買量も多くなります。
そうなれば、ビットコインや他のメジャーな仮想通貨のボラティリティはこれまでより小さくなり安定した値動きになるのではないでしょうか。