
FXのトレードでやってはいけないNGの一つに「時間軸を変更する」というものがあります。
具体的に言うと「1つの時間足」でエントリーしてポジションをもった後に決済を「別の時間足」でやってしまう(考えてしまう)ということです。
これは損切りできない人がやってしまう癖です。
実際の例を見てください。
(図をクリックすると拡大します)
ドル円の5分足です。
5分足なので、短期トレードです。
赤の⇩でエントリー(ショート)し、利益目標を黄色の線に定めたとしましょう。
エントリー後、順調に利益目標に向かって下降していきました。
損切りを建値(エントリーしたところ)に設定しました。
下降していったもののなかなか利益目標に辿りつけません。
そうこうしているうちに値は逆行して上昇に転じました。
そしてエントリーしたところ(建値)まで戻ってきてしまいました。
本来ならここで決済しないといけないのですが、
「あともうちょっとで届きそうだったのに!」
「いや、もう一回下がるだろう」
と願望に似たような感情がはいり、決済しません。
その後、さらに上昇していますが、決済しようとしません。
「1時間足のチャートを見るとまだ下降トレンドだから損切りするのは早い」
(図をクリックすると拡大します)
ドル円の1時間足です。
5分足でエントリーした位置が青線です。
確かにエントリーした時はまだ下降とも判断できます。
その後、上昇していますが、その上昇も最初は下降トレンドが終了したかはまだ判断できる状態ではありません。
だから「1時間足はまだ下降トレンドだ」という判断は間違いではありません。
問題は「5分足」の短期トレードでやっているのにもかかわらず、「1時間足」の中期トレードに変えてしまっていることにあります。
これが時間軸を変更するという行為です。
この時間軸の変更は損切りをしないことを正当化しているのです。
損切りの状況から逃れたいためのただのごまかしに過ぎません。
自分の予測がハズれたことを認めたくないための言い訳です。
自分の希望の持てる情報を探し、都合のいい解釈をして状況を先延ばしにしているだけです。
これをやるとどういうことになるかというと最初の数回は運よく助かることが多いのですが、何回目かに大きな含み損を背負い、最終的には強制ロスカットで大損します。
図のチャートの右端を見ると、結果は下降トレンドが終了したと判断できる状態になるまで上昇しており、5分足で最初に設定した損切りの位置からかなり逆行しています。
当然、この人はそれなりの含み損を抱えていることでしょう。
私も最初の頃にこういったことを経験しました。
5分足でトレードするなら必ず5分足で損切りをしましょう。
15分足なら15分足、1時間足なら1時間足、4時間足なら4時間足でトレードは完結させてください。
破滅してしまわないためにも。